ZUNさんが作った(携わった)、東方Project以外のゲームについて

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ZUNさんと言えば東方。

東方と言えばZUNさん。

 

そんなイメージが生まれて久しいわけですが、ZUNさんは東方以外のゲームの制作に携わったことがあります。

今回はその話をしていきます。

 

TAITO時代の作品

実はZUNさんは、以前TAITO(タイトー)というゲームメーカーの社員でした。

TAITOとZUNさんの関わり

TAITOと言えばスペースインベーダーというシューティングの始祖を作ったメーカーであり、他にもZUNさんが折に触れて好きなシューティングゲームだと上げているダライアスシリーズ、Switchで発売されている二次創作ゲーム「東方スペルバブル」の元ネタにあたるパズルボブル、巫女さんシューティングの元祖である「奇々怪界」などを作ったメーカーです。

上述した作品にZUNさんが制作側として関わったものはありませんが、消費者側として味わい、ZUNさんの血となり肉となり、「東方Project」に影響を与えた作品も多いでしょう。

 

そんなTAITOにZUNさんが入社したのは、大学時代に旧作5作品を作り終えた後からです。

そこから2007年頃、つまり紅魔郷~文花帖(ギリギリ風神録にかかるかかからないかくらい)までは会社員と同時並行で「東方」を創ってたんですよね。

 

実際にTAITO社員時代にZUNさんがスタッフとして制作に携わった作品について

本題ですが、TAITO時代のZUNが関わったもので有名なのは「ハクレイのミコ」という隠しキャラクターが出ている「ラクガキ王国」

 

 

まんま「博麗の巫女」であり、霊夢のような姿をしています。(動画2分55秒から)

ラクガキ王国というのは自分でキャラクターを描いて動かせるRPGで、そのテスト用のキャラクターとして「ハクレイのミコ」は生まれたようです。

 

開発当初はテスト専用のキャラクター想定だったそうですが、なんやかんやでゲームクリア後のオマケ要素としてユーザーとも対戦できるように。

 

霊夢のスペルカードと言えばカラフルな光弾を飛ばす「夢想封印」が有名ですが、旧作にはスペルカードルールがなく「夢想封印」もありませんでした。

じゃあどこで生まれたか(プレイヤーの目に初めて入ったか)というと、実はこの「ハクレイのミコ」の攻撃としてが初出。

東方だと紅魔郷体験版で2002年6月10日に登場。
ラクガキ王国は2002年3月20日に発売です。

ゲーム側で使える漢字(※)の中からそれっぽい漢字を組み合わせたのが「夢想封印」とのことです。

(※)今のゲームだと早々ありませんが、昔のゲームだと「使える文字」が制限されているのが常識でした。ゲーム中のフォントとして存在しなければ文字として使えず、ドラクエの「ダースドラゴン」は「ダークドラゴン」としたかったけどカタカナの「ク」を容量削減のために削ったという話がありますが、その延長線の話です。

 

ラクガキ王国のゲーム自体にはプログラマとして参加、エフェクトやメニューを担当していたようです。

他にもPS2のサッカーゲームであるグレイテストストライカーにプログラマとして、同じくPS2の「武刃街(BUJINGAI)」というGACKTさんをモデルとした主人公の3Dアクションゲームのエフェクトなども担当していたり、PSPの「EXIT」ソフトウェアデザイナーとしての参加していたようです。

 

 

楽曲・キャラ提供

「ゲーム制作」に直接携わったのは上述したゲームだけですが、やはり東方(ZUNさん)と言えば音楽・キャラクターです。

 

ZUNさん楽曲提供

「東方」ではないもので言うと、「トルテルマジック」という「天からトルテ」という漫画(ZUN氏とは一切関係ない)の二次創作ゲーム(ぴえとろ氏が開発)や、「黄昏酒場」という酒フリゲに楽曲を提供。(プログラムも協力?)

あとメインコンポーザーとして西方Projectの二作品(秋霜玉・稀翁玉)に楽曲提供しているのは有名ですね。

 

トルテルマジックに関しては、ゲーム中全楽曲をZUN氏提供。

道中テーマの「Witch of Love Potion」は蓬莱人形にアレンジ版が収録されています。

他2曲「Magical and Hopeless」と「Sacred Battle」は東方関連での登場はありませんが、上海アリス幻樂団の公式ホームページ(の隠しページ)にてMIDI(楽曲)データが配布されています。

 

黄昏酒場に提供した「呑んべぇのレムリア」は漫画儚月抄のおまけCDに「呑んべぇのレムリア(Retrp Ver)」としてFM音源アレンジが収録されています。(ので、実質東方と捉えても差し支えないかも)

 

西方(サークル「瞬殺サレ道?」さんが作ったシリーズSTG)は初期2作品(秋霜玉、稀翁玉)のBGMを全曲手掛けています。詳しくは後述しますが、キャラ・セリフ提供もあり。

 

他にもパチュリーが主人公の二次創作ゲームの「神魔討綺伝」に「AN ORDEAL FROM GOD」。

麻雀二次創作ゲーム「東方幻想麻雀」に「キュアリアス上海古牌(リンクは公式が上げた1ループ)」。

などがゲーム関連でZUNさんが楽曲提供したものです。

 

 

キャラ等提供

ここで「キャラ等」と表現したのは、「ガワ」だけの貸出ではなく、セリフ(性格)という中身も含めた提供があった作品を上げたいからです。

ガワだけの貸出であれば各種音ゲーやカードゲーム、ちょっと古く知名度もあまり高くなさそうなもので言うと「ねんどいど じぇねれ~しょん」などがあります。「上海アリスちゃん」は東方キャラかは微妙なラインですが、一応「上海アリス幻樂団」からのキャラ提供であります。

ただ繰り返しになりますが、これらタイトルの東方キャラ出演は「神主許諾」で「監修・制作」まで踏み込んだものはないはずです。

 

一方「神主が霊夢や魔理沙を、神主監修・セリフ込み」で提供しているのはかなりレアケース。

「西方」ではメインコンポーザーをしつつ、霊夢や魔理沙や幽香のボスキャラとしての貸出しがありました。おそらくセリフ・絵もZUNさんが担当。

更に勇者ヤマダくんというソシャゲ(今はオフライン化してSwitchなどでも遊べる)に登場する霊夢・魔理沙のセリフやテキストの執筆。主人公がゲーム開発が趣味のゲームなんですが、ZUNさん自身も登場しています。

さらにロードオブヴァーミリオンというスクエニのアーケードカードゲームに霊夢とゆゆ様の参戦を許可して、かつフレーバーテキストも提供してたり。

 

上述したようなものが、「原作」である東方Project以外にも参加している作品としてあります。

 

と、色々書きましたが、どれも「ZUNさんがゲームを作った」とは言い難い。「キャラ」や「音楽」を作ったのであって、「ゲーム」を作ったのとは少し違います。

ほんとうの意味で「ZUN氏が作った」と言える濃度が一番濃いのは、マリオメーカーのステージでしょう。

 

とも
とも

そこにZUNさんの思想があるッ!

 

マリオメーカーのZUN sky stage

ゲームとはなにか? レベルデザイン(ステージ作り ≒ 遊び場作り)である。

……というのは少々偏りすぎですが、「絵」や「音楽」は貸すことも出来ますが、「レベルデザイン」はゲームメカニクス(遊びの仕組み)と非常に密接につながっているので、貸しだす(他のゲームで転用する)ことは困難です。

例えば太鼓の達人に東方キャラクターを貸し出したこともありますが、太鼓の達人に「スペルカードルール(弾幕シューティング)」を貸し出すことは容易ではありません。

 

そのように、「ゲーム部分」こそが「ZUNさんのゲームを味わうための芯」であると言えまして。

 

「ゲームを作る」の根っこは「プレイヤーが遊ぶ部分を作る」であり、そういう意味で言うならばこの「sky stage」はZUNさん濃度(略してZUN度)がただキャラクターを貸したりするものよりもむしろ高いのです。

 

極論するなら、つまりキャラがたまたまマリオだった東方原作です。

というわけで、東方、ひいてはZUNさんが好きな方は触りましょう!!!

 

ただし期限は2024年4月9日午前9時まで!

コースID 8192-0000-02CE-AA88

それ以降はWiiUのオンラインがサ終するので遊べなくなる予定です。急ごう!

 

 

 

sky stageの「ZUNさん」らしさ

東方Projectは、弾幕を避けることを通じて表現したいことをくみとるゲームです。

「何をプレイヤーに感じてほしいか?」の積み重ねが「ゲーム」であり、レベルデザインの妙です。

つまり、ステージを通じた対話であります。

 

そんなゲームを作り続けているZUNさんだからこそ、このステージにも「東方らしさ」……というか、ZUNさんが作るゲームらしさがあります。

これは単純に「シューティングっぽいステージだからZUNさん」と言いたいわけではなく、ステージギミックとしての開発者の思惑から「ZUNさんらしさが透けて見える」ということです。

 

原作スペカルールに対する、土管で区切った小気味よいゲームプレイ。

原作のボムの気持ちよさに対する、クリア時の敵弾消し。抑圧と開放。

自分の命とは関係ないところに飛び交う弾幕、緊張の演出。

 

ようするに、プレイして感じる「イライラ」や「気持ちよさ」は、ゲーム開発者としてロジカルに「緊張」と「緩和」を用いてプレイヤーに「感じさせている」んですよね。

こういった「プレイヤーの心理」を的確に揺れ動かす要素が、非常に「ZUNさんらしいなぁ」と感じました。

翻って同人での弾幕シューティングという尖ったゲームを作り続けていても、それでもその中で「遊んだ人を楽しませよう」という部分を真剣に見つめ続けたゲーム作りがされています。

だからこそ、「東方Project」はほんとうの意味で長く愛される作品群なんだなと頷く次第です。

 

もちろん上で貼った通り、ステージの動画はあります。

しかし、「きもちよさ」や「イライラ」を味わってこそ本当の意味でゲームをプレイしたと言えるでしょう。

 

未プレイの方は、ぜひプレイしてみて下さい! 2024年の4月9日9時まで!

WiiU本体

マリオメーカー

 

 

まとめと参考

というわけで、ZUNさんが携わった、東方Project以外のゲームについてを語りました。

 

入手性など様々な理由でプレイ可能性が低いものも多いですが、東方Project,ZUNさんのファンであれば、手の出せる範囲で味わっていきましょう。

 

参考

TGS2019 ラクガキキングダムステージ 取材

 

wikipedia ZUN , 東方Project

 

 

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