あそんだゲームたちの感想をだらりだらりと語る記事です。
10月以降にあそんだゲームの感想&思考日記。
「その1」におすすめ度の☆の度合いというかどういう意味で☆付けをしているなど、前置きがあるので気になる方は目を通していただけると幸いです。が、読まずとも基本的には「夢中になれた度合い」です。
スイカゲーム ☆4
スイカゲームが流行っていたのでスイカゲームの原作やスイカゲーム的なものを触ったりそのパクリゲーである萃香ゲーム(suika_combination(フリゲ))をプレイしたり。
スイカゲームに関しては、なんか、普通に面白くない……という感じでした。特別悪いゲームではないんだけど、それもまた印象に残らない的な意味合いでつまらん感じというか。
だいたいこういう流行りのシンプルゲーはそれなりにシンプルが故に熱中できるタイプの人類だと思ってたんですが。プーさんのホームランダービーとか、動物タワーバトルとか、壺おじとか、Vampire Survivorsとか。
実況者(という発言が老害かもしれない。今だとVtuberですかね)がプレイしているのを「そこじゃなーい!」みたいなコメントでの盛り上がりが楽しいスイカゲームの使い方なのかもしれない。
そして「自分のほうが上手くできる!」的な気持ちも含めて流行っている理由もある程度はわかります。操作が簡単で、何をやっているか誰にでもわかりやすくて、目標も明確(小さなところで言うなら「スイカを作り、そのスイカを2つ繋げたらどうなる?」というようなことであったり、大きな所で言うと「世界ランキング」)で、アクシデントやラッキーも起こり得るゲームで、それも含めてリプレイ性が高い。アクションゲームのように時間に追われるゲームでもないし、戦略ゲームのように言語領域や論理的思考に脳のリソースを奪われることもないから実況にも合っている。そして安いから「触ってみよう」と思うハードルも低い。
逆に言うと僕のようなぼっち陰キャ老害ゲーマーがプレイするゲームではないよなぁ、という感じ。もうちょいマイナーだったらトップ目指す楽しみもあったかもしれないけど(努力したくないガチ勢)、残念ながらはやりすぎでプレイヤー多すぎなのでトップを目指すのもしんどいだろうなぁという。
んで、肝心?の萃香ゲームですが、出た瞬間から何度か触っていて、アプデを重ねるごとに磨かれていく姿が見られて無常の喜びがありましたね。
これめちゃくちゃ偉いところが、左下の早苗さんわかりますか? なんと、キャラの頭にカーソルを合わせるとナデナデできる!!!!!!(そして東方キャラが嬉しそうに目を細める)
はい神ゲー。GOTY受賞です!(「ぎ」ゃんかわ「お」気に入り「東」方娘を「や」さしく撫でる 賞。略してGOTYです!)
他にも初期版だと線が雑だったのが清書されたり、BGMがなかったわけですが童祭と砕月のスイカゲーム風アレンジになってたり(砕月は「萃香」だからわかるけど、童祭を使うのがニクいよね)、「シンカの輪」が右下に表示されるようになったり、同キャラ同時3体接触で進化を一段飛ばすメカニクスがあったり(例えば上記画像で言うと霊夢を早苗さんにシンカさせることで早苗さん3体合体→「?」を飛ばして萃香に)、工夫も見られます。
あ、あと解説してなかったですが、ナズーリン以降萃香以外、最初に合体するまで「?」表記になってるんですよね。これも初見プレイへの好奇心の刺激、そこからプレイ継続に一役買ってますね。「次はなんのキャラが出るんだろう?」というプレイへの期待。
まぁ逆にスイカゲームと比べキャラを置いたあとにかなりしっかり安定するので、ぬるぅ~っと動かず良くも悪くも変なトラブルが発生しにくかったり。それは実況メインと捉えると悪い劣化調整とも取れるし、より積み重ねることに実力が反映されるからゲームとしては良調整とも取れるしって感じです。僕はそこまでうまくないですが、スイカゲームガチ勢の方だと一生終わらないというコメントも。
と、言っても、結局最初に書いたスイカゲームと一緒で、ゲームそのものに熱中は難しかったというのもあり、ゲームとして良調整したところでって感じはありました。でも東方要素が素晴らしいので☆+1。
ちなみにグラディウス(サラマンダ)でのスイカゲームもありました。ZEROS FORCE GAMEという名前のゲーム。
「BGMと効果音が良すぎる」と思いながら遊んでました。64くらいまでのコナミ君、音周りが磨かれ過ぎている。
萃香ゲームもそうですが、原作をしっていると「これとこれを合体させたらどうなるんだ?」というプレイ欲求がかなり強烈に刺激されますね。これは二次創作の非常に良いところ。
が、コナミに怒られて消えたようです。残念。
で、上のキャプションで書いた通りなんですけど、スイカゲームもそうなんですが、基本的に端でボタン連打するのと初心者のプレイってそう変わらないか「余計なことをしてミス」するのを防ぐために効率的まである……というくらいなゲームであるがゆえに、もう少しゲーム性を磨いてほしいよなぁの気持ちです。突き詰めれば勿論違うわけですが、砂時計みたいな形の難度曲線と言いますか、間口が広くて天井も広いけど、入り口から1歩踏み込んでから急激すぎる難度上昇があるというか。
まぁ、そんなこんなで個人的には追及がしんどいな、という感じ。
Turnip Boy Commits Tax Evasion(カブボーイの冒険 ~税金払うなんてイヤだ!~ ) ☆4
ゲームパスでプレイ。
「その7」で触れたドケルバン病も、一番ひどい時を100とすると50くらいまでなんとなく収まってきて、コントローラーをある程度に握れるように。(と油断してたら翌日痛くなったりするから、ベストには程遠い)
右手の親指でボタンとスティックを往復するようなFPSとかは厳しいものの、シンプルでボタン数の少ないゲームならまぁプレイもなんとなくできるようになってきたって感じですかね。
まぁ、まぁ、このゲームはサクサク進めて1時間半くらいで終わるボリュームで助かりました。(多少じっくり進めたら2~3時間くらいかな)
といっても15分くらいの最初のボス?を倒した時点で「イマイチなゲームだなぁ……」という感想。
そこから終わりまでその感想はほぼ変わらず。
あらゆるゲーム的な体験の磨かれてなさがずっとつきまとっている感じでした。
シュールギャグ、ブラックジョーク的なものを楽しみつつ2Dゼルダっぽいゲームを楽しむ、みたいなゲームかと思いますが、楽しめませんでした。逆にそこがツボに入ればもっと評価は上がりそう。
僕はツボに入らなかったので、大人しく夢島でもやってたほうが楽しいよと伝えておきます。でもサクッとその感想に至れて、良いゲームなのか悪いゲームなのかの判断がサクッとできるプレイ時間2時間以内くらいであることはめちゃくちゃ良いゲームです。
Drunk As I Like – Gensokyo Chugging Contest ☆4
また萃香ゲーム……ってコト!?(そうだけどそうではない)
ミニゲーム。
腕がフラフラするので、口の真上にジョッキが来るよう左右キーを押して、妖怪たちにビールを飲ませるゲーム。
シンプルながらも美しいゲームデザイン。かなり好き。
でも、ゲームとして小さく、シンプルすぎるので、どうしても(他のゲームとの兼ね合いを考えて)☆5以上は与えづらい。
ただもともと「Touhou Fan Game Jam 7」で公開された作品であり、ゲームジャムということを考慮しその範囲内での作品でのランキングを作るとしたらかなり上位に位置する感じ。時間がない中で丸く作られている感じがあります。
あと同作者の「Mokou in the Chambers of Immorality」もスーパーミートボーイっぽい見た目でつられてプレイしましたが、イマイチ。なんか挙動が気持ち悪い感じでした。
これなら「There She Goes, Wriggle Nightbug!」をやったほうが絶対に満足度高い感じ。
NitorInc.: Touhou Microgames! ☆8
メイドインワリオがそもそも☆9か下手すりゃ☆10ある傑作中の傑作なので、それを東方にしてちゃんと磨けば☆9前後は十分射程圏内で、磨かれていない要素を差し引いても☆8ぜんぜんある、という感じ。
プレイ自体は普通にメイドインワリオしてて素晴らしかったです。「キーボードとマウスでできる、東方版メイドインワリオ」で説明終了。マジで遊んでてメイドインワリオ原作をプレイしているようなハイテンションさがありました。
(僕はパクリゲーに寛容であるというのは一旦置いといて)「パクリゲー」と批判したいところですが、ここで大事なことは2つありまして。
- そもそもメイドインワリオがローグライク的な作風である
- そもそもプレイが反応的である
という2点。
つまり、出現するゲームと難度に毎プレイ違いがあり、「攻略法」というよりは如何にミニゲームが出現したということに対して正確な判断(反応)ができるかということが大事なんですよね。
積み重ねた攻略知識が重要になるゲームほど「パクリゲー」への(攻略プロセスに対する興味の)飽きが早いわけですが、メイドインワリオの場合はゲーム全体の攻略プロセスがほぼ存在しない。つねに反応速度のみが求められる。それゆえ「まったく同じゲームメカニクス」だとしても、メイドインワリオと地続きで楽しめる。それに「そもそもメイドインワリオというゲーム自体が、見た目を変えてワンボタンのタイミングや回数をずらす」だけのゲームも多いので、見た目が変わってボタンタイミングがズレればそれはメイドインワリオの別のミニゲームとして楽しめる。
ここが他のパクリゲーと違うところ。「見た目を変えただけのパクリゲー」でもメイドインワリオの場合は「メイドインワリオになってしまう」んですよね。シンプルゲーかつ反射が重要なメカニクスであるがゆえの楽しさを存分に味わえる。
もちろん逆に言うと「直感が解に繋がるレベルデザイン」と「リアクション」の二軸は「中途半端なパクリゲー」だと相当劣化すると思われますが、このNitrIncはそこに関しては「ちゃんとパクッてる」ことにより十分クリアできているように感じます。
ただ☆10クラスのデキだからこそ磨かれていないところに目が行きまして。
主に操作周り(※)で-1.5、(メイドインワリオに並ぶゲームという高い視点で考えると)若干ブラッシュアップ不足のミニゲームで-0.5……くらいな感じです。
※マウスを使うゲームとキーボードを使うゲームが混在しているのにwasdでの操作に対応してないところであったり、スペースキーにする必要がないゲームでスペースキーを使う必要があったり(クリックで済ませられるゲームならクリックに統一して欲しいところ)
とは言え、二次創作であるがゆえにここに「東方原作からしっかり引っ張ってきている東方要素」で+2つけてもいいくらい東方二次創作メイドインワリオとしても素晴らしい出来。
例えば、「四季様はもともと地蔵だった」という設定、微妙にマイナーかと思うんですよね。
成美ちゃんはふつうに原作にて地蔵として出てきてるからわかるんですけど、四季様が地蔵だったは書籍設定(だったはず)。
だから「笠地蔵」のミニゲームに地蔵役として四季様が出ているということ……などの、細かめな東方ネタがしっかり描写されているのも、東方厨としては嬉しい限り。
東方好きなら絶対にプレイしてほしく、メイドインワリオ好きにも(メイドインワリオの二次創作として)プレイして欲しいくらいの良作。
Steamで「Demo++」という形で無料配布されてますが、作者のTwitterはほぼ音信不通で、Demo++以上にはならなそうだなぁ……という悲しみはある。
と言ってもDemoの時点で十分以上遊べるといいますか、ミニゲームをサクサクプレイする機能自体は整っているのでミニゲームとして未完成のものを遊ばされている感じなどもありません。
「どういうネタを拾っているか」など、かなり無限に語っていきたいタイプのゲームではありますが、初見のワクワク感やクリアしたときの笑い、驚きを味わって欲しいゲームなのでこのくらいで。
ぜひ遊んでみて欲しいです。
LAPIN ☆5
ゲームパスでプレイ。
ゲームクリア&収集要素の「種」を全て集めて6時間半くらい。
色々しっくりこないところはあるけど、それなりに歯ごたえのあるアクションは楽しめたのと、BGMが良さげな感じでした。
難度に関してはちょいゆるCelesteといった程度。ウサギの見た目の割には思い切りすぎた難度とも言える。
最初30分くらい(チャプター1をクリアするまで)は美術やストーリーやキャラに魅力無いし、難度も低くてプレイがだるくなり投げそうになってましたが、チャプター2くらいから徐々に歯ごたえが生まれてきて、それなりに楽しく遊べました。リトライも早いし。
ラスボスのちょっと調整不足を除けば、概ね普通に2D高難度めアクションとして楽しめました。
ただ収集要素のための道の分岐があるわけですが、誤って「正しいルート」に行ってしまうと収集要素が放置されるような形になるのが難点だったかな。もう一度同じルートを通って分岐まで向かい収集アイテムを集めるのがあまりにも面倒。こういうシステムマジで嫌いです。
なんか「明らかに正しいルートではない(隠し要素やアイテムがある横道)とわかる手段」ってどうにかつくれないもんなんですかね。古くはドラクエから同じことを思っていたわけですが。(みなさんもドラクエで洞窟などに入ったときに、「正解のルート」を選ぶと「もう片方の道に宝箱があるかも」と確認しませんでしたか?)
結局その「横道」もゲームの味変ではなく延長線上のものなんだから、そもそも同一画面に収めればよくない? という気持ちはある。そういった面でもスーパーミートボーイが同一画面に収集要素を置いてるのがえらい。
それで言うならふと考えてみると、さらにその元ネタに近いであろうマリオワールドでカギを使わないと横道に逸れない、みたいな仕組みもかなりえらいよなぁ。
あとはそうですね、高難度ゲーに下手なストーリーは要らないという自論があり(ゲームに集中したいのにそれを阻害されるような気がする)、それゆえCelesteもそこまで好きになれなかったわけですが、このゲームも同じ問題を感じました。
つまりスーパーミートボーイが僕にとっての神ゲーであることが揺らがない感じです。
総合的な完成度や好みとの合致でミートボーイが☆8以上という感じで、それと比較するとプレイ優先度が低かったりという理由で☆5という評価になりますが、このキャラクターや世界観が好きなら☆6くらいは全然あると思います。
まぁ、いろいろ文句も言いましたが、プラットフォームアクションをプレイしたい気分の時+雰囲気好きそうなら触ってもいいかも、くらいのデキではありました。
Townscaper ☆0
- クリックしたら海の上に家が立つ!
- 家の上をクリックしたら、さらに家の階数が増える!
- 家の横をクリックしたら、そっちに向けて部屋が増える!
というだけのおもちゃです。
(一応実績はあるけど)特に目標もなく、リスク・リターンもなく、時間制限も無く、数値のコントロールもない。
ゲームとは言い難い、自分の好きな家を積み重ねて町っぽい塊を作っても作らなくてもいいよ! という物体。個人的にはこれはゲームではないですね。
5分くらい触って終了。
……が、Steamレビューだと圧倒的好評だったりします。
特別内容を知らず「ゲームパスの期限が来るから」が理由で「ゲーム」を期待して起動すると僕のような感想になるのかも。
言い方を変えるなら、PVなどで雰囲気合いそうな人にはハマれる要素はあるかも。
いや、でも、高評価レビューの中にもあるけど、結局これに「ゲーム」を求めるのはNGなのは間違いないですね。
天穂のサクナヒメ ☆5
いっせいトライアルで遊べるようだったのでプレイ。クリア時のゲーム内プレイ時間は22時間。(録画で27時間くらいあったから、ゲームの記録時間はムービーとかロードは除外されてそう)
なるほどなるほど。思ったよりおもろかった。最初の5時間くらいは。
そこからは惰性&惰性のゲームプレイ。いつものやつです。はぁ~。プレイ時間の水増しで萎える。
プレイしつつこの文章を書いていたんですが、☆評価が7→6→5→4と、どんどん下がっていく感じ。
で、ラスボス付近で音楽の良さと、素晴らしいわけではないけどインディー特有の変に凝った結果わけわからんストーリーになるような辟易とする展開じゃなかったのでなんとか5まで持ち直した感じです。
で、途中評価が右肩下がりになっていったということが一番の問題で。
サクナヒメに限らずですが、ゲーム制作者の皆さんは本当に本当に本当に「このプレイはプレイ時間稼ぎじゃないか?」「ユーザーにとって濃厚な時間か?」を自問し続けながらゲームを作って欲しいです。
本当に「敵を使い回す道中」や「同じようなボスの再戦」、プレイ時間の水増しとしか思えない。体験を薄っぺらく伸ばそうとしていませんか。僕は、というか恐らくほとんどのユーザーは短く、太いゲームをしたいんですよ。
面白ければ勝手に繰り返しプレイするので、開発者側が「おもしろいだろう」で見切り発車したダラダラと面白くないかもしれないゲームプレイをユーザに押し付けるの、そろそろやめませんか。
そういう意味で(未プレイではありますが)それを象徴とする「飽き」の対極にあるゲームとして、マリオワンダーがありますね。2Dプラットフォームアクションという手垢がついたゲームジャンルに、ありとあらゆる「遊び」をゲーム内にぶち込んで、興味深く飽きさせないゲームプレイを意識して作っていたように思えるわけでして……言い方を変えるなら、そのくらい「ゲームに飽きが来ない工夫(というかプレイヤーが同じことを感じないようなゲームから提供される遊びの物量)」を詰め込むことができないならば、ゲームボリュームは贅肉であり削らなければならない要素だということ。特に過去散々遊ばれ尽くしたゲームジャンルであれば。
んでそういうのが許されるのって、物量を担保できる大手かそれに準ずる物量を用意できる覚悟を決めた開発以外やるべきではないんですよ。
言い方を変えるなら、サクナヒメのような明らかに水増しが目につく程度のゲームプレイしか用意できないのなら、それは作戦(開発リソース分配)ミスでしょう。
サクナヒメはその水増し感さえなければもっと良いプレイ体験だったのにな、と思わざるを得ません。
記事冒頭に書いた通り、序盤だけなら目新しい稲作体験とそれとなく独特な操作感の2Dアクションということで☆7、さらにこちらも書いた通りですが終盤の展開は変にハズしてないので☆+0.5~おまけして☆+1くらいまで見て☆8もあり得る作品でした。
ただただ水増しでのテンションの下がり方が勿体ない。繰り返しになりますが、サクナヒメに限らずありとあらゆるゲームにその気配を感じますが、面白いところは面白いサクナヒメではよりその勿体なさが際立つ。
ちなみに最近プレイしたなんとなく類似品で言うと、ビルダーズ2の方が面白い。そんな感じでした。(といっても牧場物語やルーンファクトリーなどは未プレイ程度の見識ですが)
稲作の雰囲気を味わいたいならもちろんサクナヒメをプレイすべきですが、ゲームとして面白いものをやりたいなら間違いなくビルダーズ2。ついでに2DアクションRPGとして面白いゲームなら、「がんばりみのりこ」です。
特に2Dアクション部分は、使いもしない技が何十個もありやることは結局はじからはじに吹き飛ばすだけのサクナヒメより、技はそこまでおおくないけどだからこそ間合い管理やタイミング管理などがしっかり練られて居てアクションゲームとしての面白さを味わえるがんばりみのりこは、本当に素晴らしいゲームだと思っています。
話を戻しまして。
まぁ、最初に文句を言いましたが、期待値よりはおもろかったです。期待値でいうと4くらいでした。紹介動画などからの先入観は「退屈な稲作とボタン連打気味の退屈なアクション」だったので。
サムいツイッターギャグ(「農林水産省が攻略ページ」みたいなやつ)で有名になったゲーム(※)が面白いわけないやろ……と思ったけど、その先入観よりはゲームでした。
※つまり稲作ギャグを発端にゲームとは呼べないようなとてつもない手間と、運に左右されるゲームになってしまっているということ
というかそのネタ、ぶっちゃけゲームを軽視してねぇか、と思う。
なぜかって、サクナヒメは思ったより「農業シミュレーター」ではないから。
普通にゲーム内でゲームとして如何に効率化するかってところが本質。
「農林水産省のHPが攻略wiki」じゃねえよ。攻略は普通にユーザーのプレイで十分だよ。
そういう感じでした。
つまり、「なんとなくやって、なんとなくうまくできる」というところまで磨かれたチュートリアルを、わざわざ不必要に知識を詰め込むプレイングがさも「正答」のように流布する態度が気に食わねぇ。ゲームと作者の手腕を軽視し過ぎ。
ただここもまた一般的なゲームとしての褒めポイントでありつつも、尖っていることをよしとするインディーゲーとして考えた時に個人的な不満点があって、「きっちりやろうとしたとき、思った通りにことが運ばずイライラする」ということが多発する。
特に戦闘面。先行入力やキャンセルのガバっぷり、ステージ構成の磨かれてなさに終始イライラしっぱなし。敵の攻撃のみづらさや想定外すぎる攻撃が飛んでくる感じ、まともなアクションとしてはさすがに楽しめない。
んでそのイライラを耐えて続けても、やってることは「複数ならまとめて吹き飛ばす」、「単体ならダメージ効率を考える」しかない。
これ、最初に「水増し」と言いましたがむしろこっちが本質な気がします。DOOMやSeriousSamなど使いまわしても面白くなるゲームもあるわけで。それは結局(ちょっぴり冗長な言い回しになりますが)「きっちりやろうとした時に思った通りに動くこと、その上でプレイヤーがコントロール可能な絶妙な戦略・戦術・操作の価値の積み上げ」が報われるバランス・操作の調整があるがゆえでして。
視点を変えるならばサクナヒメは同じように敵の数を減らした上での調整にしようとしているともとれますが、そもそも大味すぎるゲームプレイが故に「水増し」になってしまっている、という感じですかね。
もっと言うと稲作周りもそう。「何をどうすれば最高効率なのか」が伝わってきづらい。(まぁそれこそが稲作なのかもしれないけど)
なんかずっと「なんとなくやったら、なんとなくうまくいく」という感じが拭えない。そして、だからこそ惰性に繋がっていく。
ここも合計プレイ時間が短ければ(希望としては2時間程度、ギリ許容範囲で8時間程度)「なんとなくうまくいったヤッター!」で少なくともマイナスにはならないものの、プレイ時間が長いが故に虚無を感じたところです。
プレイ時間が長くなればなるほど「『なんとなく』よりはこだわりをもってプレイしたい」という欲が出てきますし、ある程度ちゃんとしたハードルを感じて「ハードルを超えた」という楽しさこそを味わいたいわけで。
そんなゲーム観に対して、まったく見当違いな水増しゲームを提供された感じでした。
ただただ間延びしたゲームプレイで5時間超えたあたりから「飽きてきたなぁ」。10時間超えたあたりからは「いつおわんだよこれ」にかわりまして。そしてそんなゲームのプレイ時間を重ねるほどに、「時間単位での評価」も下がっていくわけで。それ故に冒頭に書いた評価の☆がどんどん下がっていく感があったわけですね。
これでキャラやストーリーや音楽に取り組む魅力があったりしたらもう少し前向きに取り組めたわけですが、そこもダメでした。
基本的に人間キャラに好きなキャラが居ない。
んだけど、人間とのやりとりが兎に角多い。
それなりに「考えさせられること」や「面白いこと」を言っていると思うんだけど、キャラに魅力がないからそこもスベってる。
し、ほとんどの場面で足を引っ張るんですよね。
良くも悪くも人間らしすぎるというのがあるかな。
サクナという神は坊主でいう生臭坊主的な神らしくない性格ではあるんだけど、実力は神であり、ある種「尊大キャラ」ともとれる。
でも人間は基本無能で、サクナのちょっとしたサポートしかしてないしなんなら足引っ張ってるだけなのに「対等ですよ」みたいなツラしてるのがムカつくんですよね。
もちろんそれも含めてサクナの試練ではあるんですが、人間とのやりとりが苦痛でした。
一点「それはそうよ」となったところは、人間が弱っていた敵(鬼)を拾って帰ってきたことに対する騒動。
人間どもが「弱って可愛そう」みたいにほざいていることに対して
……みたいな。
傍若無人でふざけているように見えて実力はあり現実主義なサクナヒメと、それと対等であるように見せかけて概ね無能で足を引っ張るばかりの人間。
勿論ひとりにひとつくらいなんらかの能力があるわけですが、それはゲームが有利になる仕組みを提供しているだけ(言うならば「宿屋」とか「武器屋」程度の意味合いしか無い)で、ストーリーやキャラクターとして魅力的に描かれているかというと疑問しかない。
逆に神側は言葉通り浮世離れした感じのキャラが多く、ゲームらしくてよかったと思います。
しかも有能。一番凹んでいるときに助けに来る様相はナッパ戦の時の悟空が如し。
ほかにもこれらの生物もなにか神々なんですかね。古の妖怪っぽく良いデザイン。
神々の世界に居るやつらのほうが、よっぽど付き合う時間の長い人間より魅力的なのは、なにかゲーム的な意味合いがあるんですかね。
単純に「人間」側の残念っぷりがより強調されるようにしか思えませんでした。
また話はゲームのことになりますが、長いプレイ時間とともにもう一つ「ゲームをつまらなくしやすい要素」がありまして。
それは「複合ジャンルの合体」。
僕はアクションRPGが基本的に面白いと思えない体質なんですが、理由としてはRPG的な積み上げる面白さと、アクション的な自分の感覚を信じる面白さが相反するから。
このサクナヒメでも同じような現象が発生しています。(前提としてアクションRPGであるってのは一旦置いといて)
- 稲作(広義のRPG)を楽しみたい人
- アクションを楽しみたい人
この2つを同時に楽しませようとして、片方の要素が足を引っ張っている。二兎を追うものはってやつです。それこそあの名作「アクトレイザー」ですら僕はそれぞれの要素が足を引っ張っているとすら思っています。両方中途半端というか。
稲作をやりたい人からするとアクション要素は邪魔だし、アクション要素を楽しみたい人には稲作要素は邪魔。
ありとあらゆるゲームはこのジレンマを解決できず、要素同士がお互いの足を引っ張り合っています。
それがインディーじゃないのなら「深く狭く刺さることを捨てて、薄く広く楽しんでもらう」という舵取りなのはわかる(おもしろいとは言っていない)。
逆に言うなら取捨選択が重要なインディーこそ、一要素に尖るべきです。
勿論、ごくごく一部の真に優れたゲームは両輪を上手く回しているわけですし、最序盤のサクナヒメはその気配を感じましたが、結局ダメでした。
そもそもインディーであり「ただのアクションゲーム」、「ただの稲作ゲーム」を作るのすらしんどいのだから、両方を走らせてスムーズに進んでいくというのは土台無理な話でありまして。
日本の開発がソシャゲで言うなら原神を目指したり、コンシューマで言うならstarfieldを目指したり……そういう「想定しているリソースと(ユーザーファーストを念頭に置いた上での)目指すべきもの」のミスマッチによるゲームの穴の多さはいたるところで目にしますよね。
ゲームはひとつのアイデアで面白くなる、みたいな神話がありますし一つの事実ではありますが、「物量で解決する」というのもまた一つの正解なんですよね。で、その「物量」で面白くなっているゲームに対して、その中から「アイデア」だけを取り出しても同じ程度面白くなるわけはなくて。
であればリソースの分配、薄く広く手掛けて「つまらない可能性を減らす」のではなく、選択と集中による「面白くなる確率」を上げる方に舵を切って欲しい。
サクナヒメも残念ながらそこはクリアできておらず、凡作になってしまっているなぁ、という感じです。
とにかくボリュームを3分の1くらい、欲を言えば4分の1くらいにギュッと濃縮してほしかったなぁ、という感じ。
そうすれば普通に☆7以上は全然ありました。
まぁ、それはそれとしてやっぱり磨かれていないと感じるところも多数あり。
以前キレにキレ散らかしたエルデンリングのクソ仕様でも言った
- 装備で見た目変えるな
- 装備の入れ替えだるい
- 敵のモーション作りが下手
あたりは今作にもありまして。
磨かれていない仕様には基本的に一生文句を言えます。もちろんこのサクナヒメ以外のゲームにも存在しつづける仕様なわけですが、なんでそのクソ仕様のままユーザーに触ってもらおうとしたんだ? という疑問が頭に浮かび続けます。
と、いうのも含めて、その他細々した褒めポイントやクソポイントがあるわけですが、目立ったところは以上ですかね。
とにかく惜しいゲームでした。
もっと磨かれていれば、もっともっと楽しめたのに、という気持ちしか無い。
改めてになりますが、最近プレイした中で個人的には似たような2Dアクションとしてならがんばりみのりこを勧めたいですし、稲作(一歩引いて街づくり的な)ゲームで言うならビルダーズ2なんかのほうが推しです。
まとめとか
というわけで、2023年に遊んだゲームその8でした。
今回お気に入りだったのは「NitorInc.: Touhou Microgames!」でした。☆の数からも分かる通り。
繰り返しになりますが、普通に「東方二次創作版メイドインワリオ」と言っても支障が無い程度には「メイドインワリオ(ゲームプレイ)」として楽しめましたし、「東方二次創作」としても楽しめました。
現状Demo版ですが、完成予定もなさそうですし、最低限一通りミニゲームを遊ぶだけなら十分遊べるので触ってみてほしいです。
それと、かなり厳し目に評価したわけですが、サクナヒメは未来の日本のインディーゲーの希望の星と思える程度には「惜しい」と思いました。
古来のJRPGからの売り文句である「大ボリューム!」という呪いが未だに足を引っ張っているような気がします。あとは「つまんないのに当たり前と思ってみんな受け入れているJRPG的な構文」を引き継いでいたりとか。
いや、これはサクナヒメに限らず多くのゲームに対して思っているわけですが、選択と集中が許されやすい(比較して大ボリュームを求められづらい)インディーにこそ、あえてボリュームを絞って磨けるところを必死に磨いて鋭い針のようなゲームを作って欲しい。という希望。
まぁ、その、国内外含めめちゃくちゃ評価されているので僕が厳しすぎる説もありますが……いやでも逆に「たった二人で作りました!」とか「稲作がメインのゲームです!」とか、そういうゲームの楽しさと関係ないエピソードに評価が引っ張られてはいませんか、と評価している人たちに聞きたい。そのくらいには、個人的には「単独のゲームとして見て磨かれていないところが目につく」感じでした。
というわけで、本当に何度も繰り返しになりますが、「小さく、磨かれたゲームをプレイしたい」という欲求があり、その欲求を満たすためにインディーゲーへの期待は相当高いんですよね。個人的に。なのでサクナヒメのような成功を見て、小さな磨かれたゲームを作る人が増えて欲しい。
というのもあり、バンナム(という企業への諦めは一旦置いといて)のインディースタジオ「ギャースタジオ」とか、スクエニ(という企業への諦めは一旦置いといて)のプロジェクトのすでにゲーム開発は中止されたもののライブインタラクティブワークス(LIW)とか、結構そういう方向への舵切りしている気配も見えて、未来への希望があったりします。企業への諦めは一旦置いといたら。
まぁ、それはそれとしてすでにあるインディーでも十分以上にまだまだ楽しめる気配もあるので、現状は任天堂の「Indie World」がそれなりに「小さく磨かれたゲーム」をプレイするきっかけを作る役目を担っている気はしています。
ちなみにですが、ここを書いているのが11月16日で、LAPINをクリアしたのが15日と、ようやくゲームの消化に記事公開が追いつきました。
ただ、マジで、ゲーム、無限に遊べてしまいますよね。腹立たしいことに。(?)
ゲームパスで現状30日を期限として人は選ぶが評価が高い「Eastward」と、死にゲーのおもろそうな「DISC ROOM」の2本を消化したいですし、Switchのいっせいトライアルで20日12時~26日18時まで「Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜」というSteam評価が高めなおもろそうな雰囲気のゲームがあったり。
本来有料の、(実質)無料で遊べるゲームだけでマジで消化しきれないくらいゲームが遊べるの、人生が破壊される。
まぁ、人生を破壊するくらいに面白いゲームを探しているので、仕方ないんですが(?)
いやでも今年中にスターフィールドとティアキンと復習ブレワイとオススメ頂いたデスストとelonaを再挑戦したいし、それを考慮するともはやプレイしている余裕はないのでは…
とか考えつつ結局どれも触らず軽いゲームで本数増やしお茶を濁していくスタイルといういつものパターンになりそうな気配もある— とも@ひきこもりたい雑記ブロガー (@hikitomori) October 18, 2023
さらにこちらで書いた通り、starfieldとティアキンと復習ブレワイとデスストとelonaは今年中にプレイしたいわけで。
もっと言うなら直近で言うならマリオRPGもプレイしたいし、なぜか増え続ける積みゲーも消化したいし。
さらに漫画も結構積んでるし、CDも積んでるし、本も積んでるし、書きたい記事もあるし、ネットサーフィンしたいし、お昼寝しなきゃならないし、ゴロゴロダラダラしたいし……。
マジで時間がないっすね。マジで。いやなんでこんなに時間無いんだ? 仕事してたときは「仕事やめたら少しは時間ができるからゲームとかの消化が捗るぞ!」と思ってたんですけど、やめたらやめたで確かに多少は時間が増えたものの、増え続ける世界のおもしろコンテンツの増加量にはとてもじゃないが追いつけません。
というわけで話がそれにそれまくりましたが、2023年に遊んだゲームその8でした。
今年はその9で終わりかな。あとは改めての今年面白かったゲームまとめ的な記事も作りたいですね。
関連記事
この記事で何度か出てきたゲームパスをオトクに加入したり、スターフィールドが89%OFFで遊べるウラワザを紹介した記事。
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