一世を風靡した「ツンデレ」。
今となってはくっつき虫と同じ程度に絶滅を危惧される存在になりつつあります。
「べ、別にアンタの事好きなんじゃないんだからね!」というセリフを記号をとして具備した、往年のオタク達の景色。
純度の高いツンデレは、キモオタコンテンツの中には、もはや影すら存在しません。
というのは狭い観測範囲の中の話だけども。昔の作品には必ず1人のツンデレが存在していたような気がしますが、「最近」みたオタクっぽい作品は「リゼロ」で、その中にツンデレが存在した記憶がなかったのゴザル(早口でボソボソと喋る)
プロミスシンデレラを読むんだ。
しかし、最近非常に純度の高いツンデレを発見しました。
マンガワンで連載中の「プロミス・シンデレラ」に登場する「壱成」です。
男です。男子高校生です。それが、専業主婦に「ツンデレ」するわけです。
詳しい事はネタバレを避けたいので、とりあえずマンガワンをインストールしていただき、プロミスシンデレラの45話まで読んでいただくとして。
ツンデレはキモオタからすると、何度もお湯を注いだ茶葉のようなものです。
今さら別の場所でツンデレが出てきても、「へぇー ツンデレって十年くらい前に流行ったよね。 十年くらい前に見たわ」とミサワみ溢れる感想しか出てこないでしょう。
列海王風に言うと
「キサマ等の居る場所は既に—
我々が2000年前に通過した場所だッッッ」
ってなもんですが、だからこそ最近はもはやその存在は風前の灯。
過ぎたブームを追う人はいないのです。
ただ、ツンデレは、非常に優秀な「萌え」発生装置であることは言わずもがな。
バネを強く縮めると、伸びるときの力が強くなります。
最近の作品はツンが無く最初から「デレ」が受け取れる「なろう」が多く、老害としては「時代の流れか」と達観しつつも物足りなさを感じているわけです。
ツンのないデレなんて、塩の入っていないきなこ餅みたいなもんですよ。
だからこそ、ツンデレ……ツン9:デレ1、という性格の「デレ」は、サウナに入った後の冷たい水にも勝る「渇き」を癒すものになるわけです。
ジョジョの4部の億泰の言葉を借りるなら「3日間砂漠をうろついて初めて飲む水っつーかよぉーっ」
ってなもんです。
は? 男がツンデレとかきも
と、キモオタ諸君は思うでしょう、僕もそう思っていた。
まぁ、理解できないかもしれませんので、ちょっと考え方を変えましょう。
仕事に疲れた鈍感サラリーマンに、生意気な女子高生がツンデレしたら萌えるよな? そういうことだよ!(そういうことだぞ)
それが男女逆転しただけです。
そこに何の違いもありゃしねえだろうが。
ちなみに、キモオタ向けのマンガは「主人公の男がナヨってる」という特徴がある気がしますが、このプロミスシンデレラの好き好きポイントは「主人公の女がたくましい」って所、けっこう上げられると思います。
主人公の名前は「早梅」。浮気が原因で旦那と離婚し、ホームレス状態になったところを、壱成に拾われます。
最初のうちはクソ生意気で人格崩壊している壱成と、人生の逆境に立ち向かう早梅のストーリー。
ただ、ここらへんが、改めて考えると、「バネ」を縮めていると思えます。
最新話現在でも早梅の逆境はさまざまなところから生まれていますが(物語の主人公はいつも難題をぶつけられる)、これをどうにか乗り越えてくれるんだろう、という早梅への期待。
そして早梅の意志の強さに対しての壱成の反応が、純度100%のツンデレなので、ツンデレに飢えている諸君、プロミスシンデレラを読もう。
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