僕は「本気で好きを追っている人」が好きです。
特に心の底から「恋」してしまったものを追う女の子が、大好きです。
例えば「あなたの鼓動を見させて。」のこころ様。
「鼓動」に恋をしてしまった女の子です。
例えば「くーねるまるた」のマルタさん。
「食事」に恋をしてしまった女の子です。
そしてこの「ばくおん」。
これも「バイク」に恋をした女の子の物語です。
ばくおん!! 1巻の名言と、感想。
オタクにとってわかりみの深いセリフが山ほどあり、心を熱くさせる。
バイクは バカにしか乗れん
全編にわたりバイクは「非効率」であることが描かれている。
非効率は馬鹿の特権である。
「趣味」なんて非効率の極みだけど、それが生きるってことだよね。
私 佐倉羽音(さくらはね)
バカって言われたのは生まれてから1356回目
今まで食ったパンの枚数も覚えてそう。
わりと不思議ちゃんっぽい主人公。バイクバカ。
だけど、こう、さらっと今まで言われた「バカ」の回数を覚えている狂気も、良いキャラ味でてんね。
バイクに乗ればワクワクできる?
心にぽっかり空いた穴を埋める為にバイクに乗る?
大自然と一体になれる?
なんでバイクを語る言葉はこんなにも陳腐なんだ!!!
好きなものを誰かに紹介するときの、オタク特有の苦しみ。
僕も素晴らしい音楽を語る時の言葉は、ひどく陳腐になる。
すごくわかる。
魅力の本質はどれだけ言葉を尽くしても語れない。そんな敗北感。
言葉はあくまで「葉」であり、本質である「幹」にはなれない。
僕なら「東方を語る言葉はこんなにも陳腐なんだ!!」って言う。
バイクに乗らない理由ならいくらでもある
だからこそ乗る理由が一つでもあるなら乗るべきなんだ
どんな趣味にも勇気づけられる名言。
やらない理由は「趣味」である以上、「生きるのに必要がない」という、興味のない人にとって完全論破的な理由がある。
しかし、だからこそ、だ。
「ゲームをやらない理由ならいくらでもある
だからこそやる理由が一つでもあるならやるべきなんだ」
とね。積みゲーを減らさないと……。
キリンさんは泣かない……!
キリンさんの涙にわいも号泣……!
ここだけは是非、マンガを読んで欲しい。
その前の展開から、素晴らしい。
ただ一点、地獄のような世界に落とされた純粋な光のようなものを感じる……つまり、オタクにとって本来は報われない「愛」を認められた瞬間への涙。
無意味であるが故にチキンレースの挑戦を受けた者は
その勇気を認められる
勇気とは、成り立たない計算の上に存在する。
無謀で、無益な挑戦こそ、男らしさである。
まいっか
あせることないや
道分からないけど 目的地の名前分かってるし
なんとかなるよ うん
道がわからずとも、目的が決まっていればただ進むだけ。
あせることもないし、なんとかなる。
こんな言葉でも、暗中模索していると、ほんの少し救われた気持ちになる。
最後はあとがきから。
バイクはただの乗り物ではなく
喜怒哀楽の固まりです。
ゲームはただの遊びではなく
喜怒哀楽の固まりです。
と言いたくなる。
なんだってそうで、その人が心血注いだものには、感情が宿る。
感情は人だ。そこに魂が宿る。
人は言うだろう。「ゲームなんかただの暇つぶしじゃん」と。
それでもそこには、人の喜怒哀楽が詰まってるんだよな。
オタクを熱い気持ちにさせる「ばくおん」。
オススメですよ。
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